ツイッターでドラロナ同一タイトル縛り企画やったので、それで書いたやつ。バッドトリップをした読切ロの話です。バッドトリップとは??人を装う高等吸血鬼に盛られました。ドラッグカクテルハッピースイーツ 。

地獄でなぜ悪い

 ドラルクがロナルドからの連絡を受けたのは、深夜三時をすぎる頃だった。携帯で受けたその連絡はどうにも要領を得ないもので「呼び出し音がうるさい」だとか「音がキンキンする」だとか「もう少し静かにしゃべってくれ」だとか大分わがままというよりも様子のおかしい発言が多かったのだが、酔っ払いにしては随分としんどそうな声音だったので、辛抱強く聞いたところどうやら「今から城に行っても良いか」ということが聞きたかったようだとわかった。ドラルクはロナルドの具合の悪そうな声に多少の心配を抱きながら、別に構わないと答えた。ロナルドがドラルクの城にやってくるのは、よくあることだ。呼び出しの連絡自体もわりと頻繁にある。千体目の吸血鬼として自分を倒しにきた退治人とコンビを組むことになったには紆余曲折理由もあるが、それはともかくとして、具合が悪いというのにロナルドがドラルクに連絡をするのは珍しいことだった。
 ロナルドがドラルクの城を訪れたり、あるいは退治依頼を二人でこなしたりするということはままあるが、ドラルクはロナルドの家に訪れたことはない。ロナルドに尋ねたことはあるが、人を呼べるような家でもない、と言うだけだし、ドラルクは由緒正しい吸血鬼であるので、招かれなければ人の家に踏み込むことはできない。それにロナルドの家に最新のゲームハードが揃っているわけでもないし、行く理由がないというのが正直なところだ。
 ロナルドがこんな深夜に何の用でやってくるのかは見当がつかなかったが、何かしら用があってくるのだろうとドラルクは思い、ここ数年は誰もやってこなかった城に頻繁にやってくるようになった人間のために揃えざるを得なかった飲料や食料を見繕って、彼がやってくるのを待つことにした。
 
 ロナルドがドラルクの城にやってきたのは、彼から連絡を受けて一時間も経っていない時分だった。城門を開いた音がしたので、すぐにでも玄関の扉をあけて入ってくるだろうと思っていたのに、いつまでも扉が開かないので、玄関に近づくと、鍵をあけようとがちゃがちゃともたついている音が聞こえた。ロナルドがドラルクの城にやってくるのはそれほど珍しいことでもないし、用によっては昼間であることもあるので、面倒くさくなって合鍵を渡している。
 別に鍵を変えたわけでもないし、開けるのに手間取るなんてもしやよほど酔っ払っているのだろうか、とドラルクは思い、扉を開けるかどうか一瞬考えた。酔っ払いに絡まれる素面ほど悲惨で面倒くさいことはない。だが通話の時のロナルドの様子を思い出し、酔っ払っているにしても楽しい酔い方ではないのだろうとドラルクはため息をついて、扉の鍵を開ける。
「ロナルド君、どうし」
 たの、と続く言葉は喉の奥に消えてしまった。ロナルドが開いた扉に体重をかけ、そのままドラルクの方へと倒れ込んできたからだ。当然のようにロナルドを支えられないドラルクは、倒れ込んでくるロナルドもろとも塵になってしまった。
「ド、ラルク…?」
 塵の上に倒れ込む形になったロナルドは、慌ててドラルクの上から引くでもなく、そのまま塵になったドラルクの上に横たわったまま緩慢に瞬きをしていた。呼ばれた名前もひどく小さく頼りない。ロナルドの下敷きになった塵を少しずつ移動させて集まれば復活できるが、それをするには酷く疲れるし、ロナルドが退いた方が早い。というのに、ロナルドは扉を閉めることもなく、ドラルクの上から退くこともなく、横向きに倒れ込んだまま、自分の体の下に広がる塵を無言で掬ったり、伸ばしたりしている。まるで砂場で遊ぶ子供のように。
「いい加減に退かないか」
「ん? んー、うん」
 なんとか喋れるくらいまでは再生したが、それでも体の大半は塵のままロナルドの体の下だ。ドラルクの言葉を聞いているのかいないのかわからないロナルドの返事は、イエスともノーともつかないものだった。
 さらさらしている感触が面白いのか、ロナルドは喉の奥で声にもならないような笑い声を噛み殺している。緩慢な瞬きの合間に見え隠れする瞳孔は大きく開いて、彼の印象を幾分か子供のように見せていた。
 酔っ払いの面倒を見るのなんてまっぴらごめんだと、ドラルクは疲れるとわかっていながらゆっくりとロナルドの体の下から塵を移動させる。体の下で動く細かい粒子の動きがくすぐったいのか、ロナルドは我慢できないように声をだして笑った。
「は、はは」
 あ、とごろりと体を仰向けにしたロナルドは高い天井に響く自分の声が面白かったのか、しばらく短く大きな声を上げて笑っていた。
 あ、あ、あーははは
 深夜の城に響く笑い声は人間にとっては不吉に聞こえるのだろうかと思いながら、ドラルクはようやく体を再生した。それから、仰向けに興奮した子供のように短く叫んでいるロナルドの顔を上から覗き込んだ。
「……具合が悪そうだね、ロナルド君」
 突然に現れたドラルクの姿にロナルドは大きな瞬きをした後で、眩しいものを見るように目を眇めた。具合が悪そうだとドラルクが言ったことに嘘はなかった。ハイを極めた酔っ払いのような彼は、子供のような挙動とは裏腹に随分と血色の引いた顔色をしていたし、実際気持ち悪さを堪えるように表情を歪めていたからだ。
「一体全体何があったんだい?」
 しゃがみこんで、ロナルドの通った鼻筋を尖った爪先でなぞると彼は痛みを堪えるようにぎゅっと強く目を瞑った。細く短く早い息からは、ドラルクが決して嗜んだことのない、けれども馴染みのある甘くて苦い匂いがする。それはロナルドが普段吸っているタバコの香りとは全く似ていないものだった。
「君、そんな趣味あったの?」
 人工的なドラッグの匂いにドラルクは顔をしかめた。ドラルクの言葉を聞いているのかいないのか判別のつかないロナルドは、それでも声がしたことには反応したようで、瞑っていた目を開けた。
 ドラルクはロナルドがこんな様子で自分のところにやってきたことに少しばかり苛立ちを覚えていた。一つには彼がそんなものに頼るような人間であったことに対する落胆があったからだった。なんだかんだいってロナルドは、高等吸血鬼専門の退治人で、自伝まで出している。ドラッグをやっただなんて格好のスキャンダルになり得るし、そういうものには決して手を出す人間ではないと思っていた。大体自分の知らないところで薬に手を出し、挙句に具合が悪くなったら自分を頼るだなんて、一体どういうことだ? とドラルクは苛立ちを抑えることができず、ロナルドの顔に滑らせていた爪先を離して立ち上がる。
「こんなに前後不覚になるなんて、何キメたんだ?」
 答えるような余裕や脳みそも残っていなさそうなロナルドの体をつま先で小突くと彼は促されるようにうつ伏せに転がった。普段であれば絶対にこんなことにはならないし、こんなに簡単にドラルクのやられた通りに動くこともない。
 ドラルクはロナルドを小突いたつま先をそのままゆっくりと動かして、うつ伏せで倒れている彼の顎を掬う。掬われるままに見上げるロナルドも視線と見下ろすドラルクの視線がかちあった、ように思われた。ように思われたというのは、こちらをみるロナルドの焦点が合っているのかどうかドラルクには確信が持てなかったからだ。
「君、馬鹿なの?」
 出した声は冷え切って響いたが、別段構わなかった。ロナルドがドラルクの表情を捉えているのか定かではなかったが、血の気が引いてわずかに震える唇からは、通話口の向こうで聞いた時と同じようなうわ言が漏れていた。
 目の奥が痛い、きんきんうるさいんだ、お前の、声が、落ち着くんだ
 言葉はズタボロに途切れていたが、ドラルクはなんとかそれを拾い上げた。ロナルドの常にない様子に軽蔑を感じてはいても、神経が尖ったからだ。
「ドラルク」
 夢現に薬に溶けた声音をしていたくせに、ドラルクの名前だけをロナルドははっきりと呼んだ。それからつま先で顎を掬われている姿勢についに耐えきれなくなったように俯いて、ロナルドは少し吐いた。
「うわ、きたな」
 とっさに足を引くと、支えを失ったようにロナルドは額を床に落とした。ごつ、と小さな音がする。ドラルクはしゃがみこんで、ロナルドの頭に指を這わせる。髪を掴んで顔を無理やり上げさせるか少し悩んだ。ロナルドの吐いた内容物にはアルコールやドラッグの気配はなく、消化しきれなかったスポンジが混ざっている。ドラルクは、はー、と長くため息をついた。ドラッグを直接吸ったり、打ったりしたのではなくて、混ぜられている。
「過剰摂取でバッドトリップしてるんだ。目の奥が痛いのは瞳孔が開いているからで、音がうるさいのも刺激に過敏になってるからだ。体温が低い、とりあえず風呂に入れ」
 聞いているのかわからないがとりあえず話しかける。ロナルドはドラルクが触れている頭をゆっくりと持ち上げる。用意をしてやろうじゃないか、高くつくぞ、わかっているんだろうな、と分かっていないだろうことを半ば理解していながら言い含めると、ロナルドは震える指先でドラルクのマントの端をつかんだ。
「お前、も、いて」
 ほしい、と途切れ途切れに言われて、ドラルクは再び長いため息をついた。
「君からたくさんご褒美がもらえると期待してるよ」
 そう言いながら、ロナルドをバスルームに連れて行くために肩を貸して、立ち上がらせた。
 
 ドラルク城の浴室は、その外観に反して簡素なものと言える。アンティークと言い換えても良い。洗面台と、金色のシャワーコック、それからバスタブが置いてあるだけのシンプルな作りだ。体を洗うというよりも、体温を上げて血の気の引く感覚からくる気持ち悪さを和らげるために湯に浸からせるだけなので、コックを捻ってバスタブに湯がたまりはじめたあたりで、ロナルドをバスタブに突っ込んだ。とはいえドラルクが力づくでロナルドを移動させることはできないから、彼を誘導にしたにすぎない。
 最初は浴室の明かりをつけていたのだが、眩しすぎて浴室に入るのを嫌がったので、明かりは落としてやった。したがって今は、窓から入るわずかな月の光だけを頼りに暗いバスルームに二人でいる。もっともドラルクは吸血鬼で夜目が効くので別段困りはしない。
「気持ち悪い」
 喉が乾いた、水が飲みたい、と小さな声のわりにわがままをいうロナルドに、ドラルクはイライラとしたが薬でトんでいる相手に文句を言ったところで始まらないだろう。
「はいはい、今持ってきてあげるよ」
 体があったまって思考が戻ってきたのか、きちんと話している気がしないでもないロナルドをバスタブに置いてドラルクは水をとってくることにした。まだそれほどお湯も溜まってはいないから、これで溺死することもないだろう。
 グラスに水を入れてから、量があるに越したことはないだろうと揃いのピッチャーに水を汲んで浴室に戻ると、ロナルドはお湯がそれなりに溜まったバスタブの縁に頭をもたせかけて、眠りに落ちそうな速度のゆっくりとした瞬きを繰り返していた。ドラルクは洗面台のそばにおいてあるチェストにピッチャーを起き、水の入ったグラスだけを持って、縁に頭をもたせかけているロナルドに近づいた。ついでにこれ以上湯を溜めていると溺れたときに助けられないだろうとコックをしめて湯を止める。
「はい、水」
 ぐるりと頭をもたせかけたままのロナルドが視線だけを動かしてグラスに入った水を見る。そこから動こうとしなかったので、先ほどはいくらか話が通じそうだったのに、また戻ってしまったのだろうかとドラルクは暗澹たる気分になった。一種類のドラッグで効きに波があるというのはあまりないから、どうせカクテルにして盛られたか、数種類出されたのを不用意に口にしたのだろう。
 グラスを口元に持って行ってやり、中身を口内に注ぐように傾けると、ロナルドは眉間に皺を寄せて喉を動かした。一応は水分を取る気があるらしい。
「味、へんだ」
 これ、いやだ、とたどたどしく言われる。水の味に変も何もない、が水分を取らないのも良くないのだろうなとドラルクはおもいながらもグラスを口から離した。わがままか、とは思ったが、純然たる力の差で、ドラルクはロナルドに無理強いはできない。味がいやということは何か加えたら飲むようになるのかもしれないが、もう少し頭がすっきりするまでは、ここから離れるのもどうだろうか。
 ドラルクはグラスをチェストの上にもどしてから、バスタブのすぐそばにおいた椅子に腰を下ろした。もう少し若造が正気づくまでは付き合ってやるつもりだった。
「俺、何してるんだ?」
 唐突にロナルドははっきりとそう言った。薬が多少抜けるまではそばにいるつもりだったが、それが唐突なのにドラルクは少し驚いた。はっきりとした口調なのにもかかわらず、だるさで頭が重いのか、ロナルドは縁に頭をもたせかけたままだった。
「君は私の城で風呂に放り込まれてるんだよ。一人だと危ないから私が付き添ってる」
 淡々と言うと、声のする方に引かれるようにロナルドが頭を少し持ち上げた。温められて血色が戻った顔色はだいぶ良くなっていた。
「お前は誰だ?」
 前言撤回だ。
「君と暫定コンビを組んでる、吸血鬼ドラルクだよ」
 嘘を言っても下手に混乱させるだけだろうから、淡々と真実だけを言うことにした。ロナルドは持ち上げた頭をぐらりぐらりとわずかに揺らしながら、言う。
「どうして吸血鬼とコンビなんか組んでるんだ?」
「知らないよ」
 コンビを組むことになったのはロナルドの自伝執筆その他が関係しているが、誰に強制されたわけでもない。ドラルクには抗う術は実際にはなかったと思うが、選択の余地はあった。だがロナルドがどうしてコンビを組むことを了承したのかなんて、ドラルクにはしりようがない。だからそう答えた。
「それだけは絶対にないんだ」
 ロナルドの瞳孔が開いて焦点の合わない瞳はがらんどうでガラスのようだった。ぐらりぐらりと揺れる頭はまるで首の座らない幼児のようなのに、声だけが芯をもってはっきりとしている。ちぐはぐさがいかにも狂人のようで、背筋がすこし冷える。
 そんなドラルクの様子を全く意に介さず、ロナルドは言葉を続けている。声は急にはっきりとしたり、くぐもったりを繰り返し、ドラルクには彼が何を言っているのか、あるいは言わんとしているのか全貌を掴むことは難しかった。
 だが彼は繰り返す。
 それだけは絶対にないんだ。初めて吸血鬼を殺したときに、ぜったいに許さないと決めたんだ、俺はもう一人で、みんなしんでしまったから、死んだのは当然だったけど、にいちゃんとひまりは、違ったんだ、でも夜で、あめがふってて、真っ暗なふろばで、つめたくてさむくて、あれは雨じゃなくてシャワーだったっけな、水に混じった血が流れたのに、塵になって、兄貴は死んで、そうあれからずっと吸血鬼を許さないってきめていたから
「吸血鬼なんかとコンビを組むはずがない」
 ロナルドの言っている内容はドラルクには全て預かり知らぬことで、挟める言葉は何もなかった。どうせドラッグが効きすぎたバッドトリップのうわ言で、今現在の記憶でさえ混濁しているのだから、彼の何がフラッシュバックして、何が声に漏れているのかも、ドラルクにはわかるわけもないし、理解しようと考える気もなかった。
 ただ。
 ただ、ロナルドの唇から漏れてくるうわ言は彼の人生のかけらをいくらか想像させるようなもので、ドラルクは少しだけロナルドの人生を眺めたような気になって、今日何度目かのため息をついた。こんな事を知る気もないし、知りたくもない。想像も理解もできない事で他人を憐むのは傲慢な行為だとドラルクは信じている。
「……君は、本当に馬鹿だなあ……」
 わずかな月明かりしか差し込まない浴室でドラルクは独り言のようにそう呟いた。
 
 浴室からロナルドとドラルクが出るころには、それなりに薬が抜けてきたのか、ロナルドはドラルクの城に転がりこんできた時よりかは大分話が通じるようになっていた。開いていた瞳孔もそれなりにまともになってきて、瞳を見ていると目があっていると感じられる程度になっている。
 ロナルドがやってくるようになってから、整えるようになった客室まで彼が入るのを見守る。足元はそれなりに不確かだが、一人でなんとか城まで来れたのだから、浴室から客室くらいまでは歩いてもらわねばならない。
 遮光カーテンが引かれて暗い客室でも、今のロナルドは夜目が効くらしく、おとなしくベッドに座り込んだ。ドラルクはベッドサイドにピッチャーを置いて、グラスを差し出す。
「水分とっておきたまえよ」
「水の味、いやだ」
「そう言うと思って、変えといたから」
 この間メキシコ料理が食べたいとかいう突然のリクエストに答えたときに使ったレモンとライムが残っていたので、それを入れてあった。糖分があるといいだろうと蜂蜜も溶かしてある。我ながら甲斐甲斐しい事だ、とドラルクは目を細めた。これもロナルドがうわ言なんかを言うからだ。
 ドラルクの言葉にロナルドは納得したのかグラスを受け取って、縁を舐めるようにちびちびと水分を取っている。嫌がらない所を見ると、対処は正しかったのだろう。
「ピッチャーの中身同じだから、気持ち悪くなったら水飲んで洗面器に吐きなね」
 そういって部屋から出て行こうとすると、くいっと小さく、しかし力強くマントの端を引かれた。
「一緒に寝て」
 ストレートな要求はあどけない口調でされた。
「一人が怖いから、ここは暗くて静かで、お前がいるから落ち着く」
 そう言うと、ドラルクの答えを待たぬままロナルドはドラルクを抱きかかえてベッドの上に横たわった。ドラルクはロナルドの腕の中から脱出する術はなく、遮光カーテンのしまった部屋の中では生憎夜が明けても死ぬ心配はなかった。
 ドラルクはロナルドの腕の中でもぞもぞと方向を変えて、ロナルドの顔を見る。抱きかかえられている状態で、彼の顔は随分と近くにあった。すこし不安げなその表情はまるで小さな子供のようだ。たとえば彼の今までの人生が、彼をこうさせるのだろうかとドラルクは思う。それからバスルームに溶けたあのうわ言のことを思い出して、渋い顔をした。どんな場所にもそれぞれの地獄があるというけれど、彼の地獄はどんな色をしているのだろう。そしてそれが、彼をここまで連れてきたのだろうかと思うと、なんだか奇妙な気分になってしまう。
「早く元にもどってくれよ、調子が狂ってかなわない」
 君が元に戻ったら、明日の昼には殴って殺されそうだが、とドラルクは思いながらロナルドの背中に腕を回して寝かしつけるように優しく叩いた。ロナルドはゆっくりとした瞬きを繰り返しながら、すんなりと眠りに落ちて行った。

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ヒヨシは殺されてるしヒマリは襲われて吸血鬼になったのをロナルド君が殺してるし、両親はクソで母親が父親を殺して自殺してるノリで、天涯孤独ルドくんです。ヒマリちゃんを殺したのが雨の日、家の中をどったんバッタンして最後は浴室だったので、途中まではシャワーで血液が流れてたのに途中から塵になっちゃったしそれが退治人になる前のロナルドの吸血鬼初退治です。あとモブ吸血鬼おじさんにドラッグクッキングきめたマフィン的なものを知らず食べさせられて過剰摂取になっただけで、モブ吸血鬼おじさんは薬でグラグラになりながら何とか倒した後で。グラグラの頭で安心できて騒がしくなくて明るくなくて寂しくないところに行きたくて、ドラルクの城しか思い浮かばなかったので来たという感じです。